30代のジョブローテーションのホンネ。中堅社員が感じている悩みをぶっちゃける。

どうも、うさみしんごです。
今回の記事は30代でのジョブローテーションがとてもしんどかったという話です。
ジョブローテーションとは、従業員のスキル向上や能力開発を図るため、戦略的に部署や業務の異動を行い、成長を促す制度です。
最近は職種や仕事内容を固定して働くジョブ型雇用がはやってきていますが、JTCと呼ばれる日本企業のようなジョブローテーションのある会社にお勤めの方も多いのではないでしょうか?
私の会社でも職種が固定されていることは約束されておらず、定期的に他部門への異動を命じられる社員がいます。
そして、直近の対象者が私でした。
35歳になる年に営業からマーケティングの部門に異動となりました。
地方在勤から本社勤めになり単身赴任にもなっています。
そこで、中途入社ではあるものの新卒から10年以上も続けてきた営業の仕事からジョブローテーションになってみての正直な感想をこの記事でまとめてみました。
自分の会社でもジョブローテーションがあり、他の人の様子を知りたいような人の役に立てばと思います。

ジョブローテーション1ヶ月目の感想としてはかなりしんどいです
ジョブローテーションの何がしんどいの?
実際にジョブローテーションを体験してみてつらかったものを並べてみました。
- 新しい部門での人間関係
- 専門性がなくなる
- 評価がリセットされる
- 成果が出せない
- 待遇アップを主張しづらくなる
- 一時的に転職市場での価値が落ちる
これまで未経験だった仕事にジョブローテーションとなると最初のうちは自分ができる業務も役割も無くなります。
これまでの部署で成果を出していた専門性があっても、これまでの仕事で評価をされてステップアップをしてきていたとしても。
一旦は流れが途切れて、新しい立場での仕切り直しになります。
年齢を重ねた割に初心者で新人。
自分よりも何歳も歳下の社員が業務をこなしていく中で自分にはできることがない。
ある程度の年齢なのに専門性もなくできる業務がない。
異動前にされていた評価や待遇を取り戻そうとしても仕事を覚えるまでに時間がかかってしまい、年収を上げるための方法がない。
異動直後から明確な道筋が示されていない限りは自分の立場が不確定なままで人間関係を一から築いていかなければならない。
実際にジョブローテーションになっている私の感覚としてはこのようなものになっています。
特に異動前の仕事で熱心に頑張ってきていて、自分の仕事や専門性に自信のあった人はジョブローテーション後のギャップに悩んでしまうかもしれません。
私はそのタイプでした。
さらに転職市場での価値も一時的には下がる可能性もあります。
理由はジョブローテーションからしばらくの間は「年齢と希望年収が高くて経験の浅い人材」か「経験はあるがブランクが空いた年齢の高い社員」になるからです。
ジョブローテーション着後に転職エージェントと面談をしましたが、私の場合はこんなことを言われています。
30代中盤という年齢の割に経験がないので最低でも数年程度の経験と成果が必要。
マーケティング職という性質もあるが自分よりも長くキャリアを積んでいる高スキル人材との競争になるので傾向としては厳しい方向になる。
転職の判断が遅れるほどにブランクが大きくなるので市場価値が下がってしまう。
35歳という年齢を踏まえると年収を維持して転職するには3年以内での転職を検討すべき。
自社に留まるにしてもキャリアは一旦切り替わっている。
転職をしようにもジョブローテーションの直後は市場価値が落ちやすい。
未経験の仕事になった社内では自分の存在価値が低下しているような不安を覚える。
転職市場ではジョブローテーション後の仕事で頑張るほどにこれまでの積み重ねが価値を失っていく可能性もある。
そのような状態になるので「今後、自分はやっていけるだろうか?」という不安はかなり強くあります。
特に30代中盤以降の中堅社員がジョブローテーション後に転職をしようとすると年齢も気にされるようになってくるため更に焦りやすい状況になってくるとも言えます。
自信喪失による不安とリスク
そしてジョブローテーションによる新しい環境とたらしい仕事の中で「今の自分にはまともにできる仕事がない」と自信がなくなると、こんな流れに陥りそうになっていきます。
- 「給料分の働きが示せない」と感じる
- 「仕事をできるようにならなければならない」と感じるようになる
- 失敗することへの不安が増える
- 失敗を恐れてアクションが重くなる
- 「できるだけ周囲に迷惑をかけてはいけない」と周囲を頼りづらくなる
- できていない感覚が強まり、更に他人の目が気になるようになる
- 「もっと上手くやらなければ」という感覚が加速する
私は35才でのジョブローテーションでしたが「ある程度の年齢になって未経験の仕事で見習いから再スタートする状態になれば焦りを感じる人も多いだろうな」と感じました。
慣れない人間関係の中で早く仕事を覚えなければならないと思いますし、自分よりも若い人が業務話こなす中で自分だけが見習い状態なことを気にしてしまう人もいるでしょう。
私はとても気にしています。
社内でのステップアップを意識していた人であれば自分の年齢で見習いのような状態にあることに対して更に焦りが大きくなるかもしれません。
悪い流れの中で「自分には役割がある」「自分にはこれができる」という自信を失ってしまうと、ミスをすることや周りを頼ることを恐れるようになり悪い意味での完璧主義に繋がっていきます。
悪い意味の完璧主義が出てくると「できていなければならない。だからミスはできない。しかし周りにできないとは思われなくない」という感覚になっていきます。
この状態になると自分の業務進捗に関するものだけではなく、上司や同僚との人間関係構築でもミスをすることが怖くなってしまいます。
私の場合は「仕事が覚えられていない状態で自分の今後を動かすようなエライ人との関係でミスをするわけにはいかない」と感じてしまっていますし、業務上で必要な関わりを持つだけでもジョブローテーション前では感じたことのなかったようなストレスを感じることが出てきています。
アイデンティティを持っておこう。
ここまでの流れでジョブローテーション後に起こったことをまとめるとこのようになります。
- 未経験の仕事では覚え直しになるものも多い
- 年齢が上がってから自分だけ見習いになると焦る
- 仕事ができていないことでの自信喪失と周りと比べる焦りによって、悪い意味で完璧主義になる
- 悪い意味での完璧主義により仕事で必要な人間関係のストレスも上がってしまう
この流れの中で感じた事は「自分が何をできるのか。どんな人間であるのか」を確かに持てているかどうかで状況への感じ方が変わってきそうだと言うことです。
私は家族と仕事を優先して、プライベートでも自分のことは後回しにしてきたこともあってジョブローテーション後は自分のことが本当によくわからなくなってしまいました。
これまで自信があった仕事を離れたことで自分が何をできる人間なのかわからなくなって。何のために頑張ってきたのかもわからなくなり。
自分にきちんと家族を養っていけるだけの価値があるように思えなくなって。
自分のことを後回しにしてきたので、打ち込んできたこれまでの仕事から離れた後には自信を持てることが何もなくなってしまいました。
そんな状態で過ごしていると「自分は何の仕事も出来ない立場の弱い人間で、人に好かれるような部分もないつまらない人間だから嫌われてしまう。人間関係も含めてミスをしてはいけない」という感覚が加速してしまった気がします。
もしも、これまでに自分自身にわかりやすいスキルや価値を身につけられていて。
多少、仕事が変わったとしても問題なく他社に転職できるような働き方をしていたら、ここまで不安になることはなかったかもしれません。
もしも、これまでに自分のことにももう少しお金や時間割いて「自分にはこれがあるから」「自分はこういう人間だから」と言えるような自分づくりをしていたら、新しい環境で自分のことを支えてくれて、もっと悩まずにスタートができたかもしれません。
今後はどうしていくの?
非常にネガティブな内容ばかりをまとめた記事ではありましたが「仕事優先で過ごしてきた中堅社員がジョブローテーションになるとどうなるか?」という意味ではリアルな気持ちを書けたかと思います。
当然ながら同じような状況になっても感じ方は人それぞれです。
だからこそ「自分もジョブローテーションの可能性がある。その時は危ういかもしれない」と感じた方がいたら、今のうちから対策を進めておくことをおすすめします。

ご参考程度にとりあえず私が今後、やろうとしていることを並べておきますね
- 仕事上のできることをはっきりとさせていく
- 自分がどうなりたいのは改めて整理していく
- 仕事以外での自分らしさを確保する
曖昧な書き方をしていますが要するに「キャリアとスキルの整理」「暮らしと仕事の見直し」「自分らしくいられる状態を作る」ということをやっていこうと思います。
結局のところ、ジョブローテーションで1番大きな問題だと感じたことは会社の都合で自分が大きく振り回されてしまうことでした。
積み上げてきたスキルとキャリアから切り離される。生活拠点も変わる。
転職市場での自分の価値にも影響が出てくる。
会社糸っては単なる人事異動であっても、そこで働く個人にはとても大きな影響が出てしまいます。
これが現職の仕事のための積み重ねにならないように自分の市場価値に紐づけるような働き方ができていれば、キャリアや自分の市場価値への影響は減らせたと思います。
キャリアや市場価値への影響が少なければ転職などの選択肢も増やせたかもしれせんし、選択肢があれば家庭への影響も減らせたかもしません。
だからこそ、自分が今後どんな選択肢を選べるようになりたいのかを整理して。
その選択が実現できるようにキャリアとスキルを積んでいけたらなと思います。
あとは今回のジョブローテーションで仕事以外に自分らしさに繋がるものを作っておくべきだと感じるようになりました。
仕事に限らずですが、自分が他のものよりも優先してきた拠り所が、自分が望んでいない出来事でなくなるとかなり大きく動揺します。
メンタル面や新しい人間関係を作っていく場面にも悪い影響が出てくることもよくわかりました。
そこで、これを機に仕事以外の場所で自分を支えるてくれるような自分らしさづくりもやってみようと思います。
実際にやっていくことはブログでも共有していこうと思いますので、引き続きよろしくお願いします。