年収500万円台の生活と貯蓄の実例|転職・出産・私立幼稚園を経験した家計
年収500万円台は「普通に暮らせる」「平均的」と言われることも多い年収帯です。
一方で体感としては、
- 思ったほど貯蓄が増えない
- 年収が上がっても楽にならない
と感じる場面も少なくありません。
この記事では、実際の年収推移と家計データをもとに、転職・出産・教育費といったライフイベントとあわせて、年収500万円台の生活と貯蓄を時系列で整理しています。
節約術や成功談ではなく、
一つの実例の記録として参考にしていただければと思います。

特に「何にお金を使っていたのか?」に注意してまとめました。
この記事で扱う家計の前提
我が家の過去の家計感を前提に今回の記事を書いています。

前提として、当時の状況は以下のようなものでした。
- 期間:2017年〜2021年
- 年収推移:500万円〜580万円
- 世帯構成:夫婦+子ども1人(途中から2人)
- 妻:専業主婦
- 車:コンパクトカー1台
- 住居:賃貸
- 奨学金返済:毎月2万円
- 児童手当:全額積み立て

この期間中に、転職・引っ越し・第二子の出産といったライフイベントもありました。
年収500万円は一般的にどの程度の水準?
参考までに、転職サービスのdodaが公開しているデータを引用します。
年収500万円のイメージは以下の通りです。
| 属性 | 年齢 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 全体 | 40代 | 517万円 |
| 男性 | 30代 | 510万円 |
| 女性 | 50代 | 441万円 |
※女性は集計期間で500万円に達していなかったため、最大値を記載しています。
※あくまで一般的な目安として記載しています。

ここからは、年収500万円、520万円、580万円それぞれの生活感を、実体験も踏まえてまとめていきます。
年収500万円のころの生活感
当時の収入感
| 収入 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 500万円 |
| 月給(額面) | 25万円 |
| 賞与(額面) | 200万円 |

賞与の割合が高く、収入としてはやや不安定になりがちな状態でした。
参考として、額面年収500万円の手取りを計算すると以下のようになります。
| 収入 | 額面 | 手取り |
|---|---|---|
| 年収 | 500万円 | 約380〜400万円 |
| 月給 | 25万円 | 約19.5〜20万円 |
| 賞与 | 200万円 | 約140〜150万円 |
当時の生活環境
- 期間:2017年〜2019年
- 地方在住
- 家賃:月6万円(駐車場代込み)
- 子ども:1人(未就園児)
- 保険:月3万円
- ネット回線(スマホ別):月4,000円
- 奨学金返済:月2万円
- 積立:児童手当のみ
- ライフイベント:転職、引っ越し、マイカー購入

転職、引っ越し、マイカー購入が重なり、生活防衛用の資金を大きく減らした年でした。
正直な感覚としては、「黒字にはなるが、積み立ては進まない」という生活感です。
生活費としては「大きな赤字を出さずに済んだ」という程度でした。
固定費は月11万4,000円程度かかっており、手取りから差し引くと残りは8〜9万円前後です。
食費のブレや被服費、特別費を含めると余剰資金はほとんど残らず、年間の積立は児童手当のみでした。
月々の収支だけを見ると赤字になる月もあり、ボーナスや貯蓄で調整する形になっていました。
車のタイヤ購入や家電の入れ替えなどの大きな特別費は、収入だけでは対応しきれず、生活防衛用の資金から出していました。
月の保険3万円の内訳

月の保険3万円もかけていたの?
- 私の保険:1万円
- 妻の積み立て型保険:2万円
働き手である私にはやや厚めに保険をかけていました。
妻の保険は独身時代から加入していたもので、満期が近かったため継続しています。

心情的にも、積み立ててきたものを途中で打ち切ることへの抵抗があったと思います。
年収520万円のころ生活感(転職と出産が重なった年)
当時の収入感
| 収入 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 520万円 |
| 月給(額面) | 32.5万円 |
| 賞与(額面) | 130万円 |

二回目の転職で月給の割合が増え、以前より収入は安定しやすくなりました。
参考として、額面年収520万円の手取りは以下の通りです。
| 収入 | 額面 | 手取り |
|---|---|---|
| 年収 | 520万円 | 約395〜415万円 |
| 月給 | 32.5万円 | 約25〜26万円 |
| 賞与 | 130万円 | 約90〜95万円 |
当時の生活環境
- 期間:2020年
- 地方都市在住
- 家賃:月8.6万円(駐車場代込み)
- 子ども:2人(未就園児)
- 保険:月3万円
- ネット回線(スマホ別):月4,000円
- 奨学金返済:月2万円
- 積立:児童手当+10〜20万円
- ライフイベント:転職、引っ越し、第二子出産

転職・引っ越し・第二子出産と立て続けにライフイベントがあり、家計管理はかなり甘くなった年でした。
固定費は月14万円程度かかっており、手取りから差し引くと残りは11〜12万円前後でした。
特別費の支出が多い年でしたが、コロナ禍の給付金や過去の退職金を使い切って対応しています。
特別費まで含めて考えると、実質的には赤字に近い年だったと思います。
家賃はもう少し抑えたい気持ちもありましたが、妻の実家に近く、周辺環境や通勤の便を優先しました。
正直なところ、転職によって翌年以降の年収が上がることを前提に予算を組んでいた面もあります。

それでも体感としてはやや余裕が出始め、年収500万円時代にはできなかった「給料からの積み立て」が可能になりました。
年収580万円のころの生活感(子どもの幼稚園入園)
当時の収入感
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 580万円 |
| 月給(額面) | 36.7万円 |
| 賞与(額面) | 140万円 |

転職2年目で徐々に収入が増え始めました。
参考として、額面年収580万円の手取りは以下の通りです。
| 収入 | 額面 | 手取り |
|---|---|---|
| 年収 | 580万円 | 約430〜450万円 |
| 月給 | 36.7万円 | 約28〜29万円 |
| 賞与 | 140万円 | 約95〜105万円 |
当時の生活環境
- 期間:2021年
- 地方都市在住
- 家賃:月8.6万円(駐車場代込み)
- 子ども:2人(未就園児・私立幼稚園)
- 保険:月1.2万円
- ネット回線(スマホ別):月4,000円
- 奨学金返済:月2万円
- 積立:児童手当+30〜40万円
- ライフイベント:第一子の幼稚園入園

幼稚園入園により支出は増えましたが、両実家からのお祝い金もあり、家計として大きなマイナスにはなりませんでした。
妻の積み立て型保険が満期となり、月の保険料負担が軽くなりました。
代わりに、会社の共済会を利用して家族向けの掛け捨て保険を追加しています。
贅沢ができるほどの余裕は感じませんでしたが、徐々に生活の安定感を感じるようになりました。

持ち株会への加入など、積み立てを増やせた点も大きかったと思います。
家計を振り返って思うこと
今回、年収500万円台の家計を振り返って感じたことは以下の通りです。
- 収入が増えても、別の生活コストに切り替わっている。
- ライフイベントは、積み立てできる余力に大きく影響する。
振り返ると、年収500万円台は出産や入園といったライフイベントが重なる時期でした。
家族構成や住む場所など、生活の前提そのものが変わる出来事が多かったように思います。
生活の前提が支出増側に変わると、増えた年収は余裕ではなく、別のコストに充てられる形になります。
結果として、年収に対して大きな余力が生まれにくい時期だったと感じました。
今回の実例から伝えたかったこと
年収500万円台の生活と積み立てについて、
- 生活自体は回せる可能性がある。
- ただし、大きな余裕は生まれにくい。
- 余裕度は、ライフイベントの重なり方で大きく変わる。
- 年収だけでなく、家庭ごとの生活感とあわせて考えることが重要。
今回の記事では、我が家の年収推移とライフイベントのタイミングをセットで整理しました。
「年収〇〇万円あれば大丈夫」といった話題もありますが、実際の余裕度は家庭の状況によって大きく異なります。
他人の数字をそのまま当てはめるのではなく、自分の家庭の状況と照らし合わせて考える材料として、この記事を使っていただければ幸いです。

