単身赴任になると家計はどうなる?実例で見る収入・支出とリアルな損得

単身赴任になると、家計ってどう変わるの?

損なのか、得なのか。正直、わかりづらいですよね……
単身赴任になると、赴任関連の手当がついて額面の年収は増えます。
一方で、税金や社会保険料も増えるし、生活費も二重でかかるようになります。
「結局、差し引きしたらどうなるの?」
結局、ここが一番知りたいところだと思います。
この記事では、実際に単身赴任をしている我が家の家計データをもとに、単身赴任で収入と支出がどう変わったのかをまとめました。
これから単身赴任になる人、単身赴任の可能性がある転職を考えている人の参考になればうれしいです。
【前提】この記事で扱う家庭について
今回の記事では、我が家のケースを実例として使っています。

状況はこんな感じです。
- 期間:2025年(4月から単身赴任)
- 年収:880万円(額面)
- 世帯構成:夫婦+子ども2人
- 妻:専業主婦
- 車:コンパクトカー1台
- 住居:マイホーム
- 奨学金返済:月2万円 → 1万円(第1種を完済)
- 児童手当:全額積み立て
※金額は分かりやすさ重視で一部丸めています
※記事の中で出てくる制度や手当の扱いは勤務先によって異ることにご注意ください
単身赴任で増える収入
単身赴任になると、だいたい次のような収入が増えます。
- 単身赴任手当(別居手当)
- 住宅関連の補助
- 帰宅交通旅費
- 地域手当
- 単身赴任準備金(赴任時のみ)
- その他手当

実際の内容や金額は会社ごとにバラバラなので、ここは必ず自分の会社の制度を確認してください。
住宅補助も「社宅扱いで安く住める」「いったん全額払って、あとから補助が出る」など、いろいろなパターンがあります。

地域手当は赴任先によってはむしろ下がることも普通にあります
単身赴任で増える控除と支出
収入が増える一方で、単身赴任では引かれるお金・出ていくお金も増えます。
ここでは、
- 給料から天引きされるもの
- 生活費として増えるもの
に分けて整理します。
税金・社会保険料
単身赴任で増える収入の多くは、税金や社会保険料の対象になります。
- 単身赴任手当(別居手当)
- 住宅関連の補助
- 帰宅旅費
- 地域手当
- 単身赴任準備金
このあたりは、基本的に課税対象です。

額面満額が手取りにならない、ということです……
年収帯や控除状況によって差はありますが、年収600〜900万円くらいで、すでに社会保険料が高めの人の場合だと、「単身赴任で追加でもらう分」は、だいたい2割前後引かれると考えておくと、実感に近いと思います。
※あくまで目安です。正確な計算は各自で確認してください。
社宅の「現物給与」には注意
単身赴任で社宅に住む場合、条件によっては現物給与として扱われます。
ざっくり言うと、家賃が相場よりかなり安いと、その差額が「給料扱い」になるという仕組みです。
この現物給与にも、所得税や社会保険料がかかります。

お金として受け取っていないのに税金の計算には入る、という話です。

単身赴任者からすると地味に効いてきます。
生活費は二拠点分かかる
単身赴任になると、自宅と赴任先の二拠点生活になります。
当然ですが、生活費も二重です。
- 赴任先の家賃・社宅利用料、共益費
- ガス代
- 電気代
- 水道代
- ネット回線費
- 駐車場代
- 火災保険
※何がどれくらい増えるかは、地域や物件、会社の制度によります。
我が家の実例

ここからは、我が家の実例です
年収の変化
単身赴任前後で年収はこんな感じで変わっています。
| 時期 | 額面年収 |
| 2024年 | 750万円 |
| 2025年 | 880万円 |
昇給、単身赴任に関する手当や準備金、帰宅旅費もすべて含めて前年の750万円から880万円になりました。

ここでは計上されませんが、月2.6万円ほどが現物給与扱いになっていて、税金と社会保険料に影響が出ています
ざっくりした手取り計算
ざっくりとした手取りを計算するとこのような感じになります。
| 項目 | 金額 |
| 額面年収 | 880万円 |
| 手取り年収 | 約680万円 |
| 額面賞与 | 270万円 |
| 手取り賞与 | 約200万円 |
| 月収(通常月・額面) | 約42万円 |
| 月収(通常月・手取り) | 約30~33万円 |
※住宅ローン控除など反映後の数字です。
※月収は赴任手当を除いた通常月ベースで計算しています。

各家庭で控除額なども変わってくるため、あくまでも参考程度ということでお願いします
結局、赴任手当はどれくらい残るの?
我が家の場合、赴任手当は月55,000円です。
税金などで20%程度引かれるとして、手元に残るお金を計算するとざっくりとこんな感じになります。
| 内容 | 月額 |
| 赴任手当(額面) | 55,000円 |
| 税金など(▲約20%とする) | ▲約11,000円 |
| 手取り | 約44,000円 |
| 赴任先の固定費・光熱費 | ▲約42,000円 |
| 差し引き | 約2,000円 |
帰宅旅費は実費精算、準備金も引っ越し費用などでほぼ消えています。
帰宅旅費については同じく約20%が税金などで引かれると考えるとこんなイメージになります。
【1回あたり3万円のイメージ】
| 内容 | 金額 |
| 帰宅旅費(額面) | 30,000円 |
| 税金など(▲約20%とする) | ▲約6,000円 |
| 差し引き | 約24,000円 |
【1回あたり5万円のイメージ】
| 内容 | 金額 |
| 帰宅旅費(額面) | 50,000円 |
| 税金など(▲約20%とする) | ▲約10,000円 |
| 差し引き | 約40,000円 |

手取で考えると帰宅するたびに赤字が出ます
単身赴任によって額面年収は100万円以上上がりました。
しかし、生活感としてはプラスになっている感覚がほとんどありません。
私の場合はかなり家賃を抑えた社宅選びをしたので何とかなっていますが、社宅利用料が3〜4万円台だったら、普通に赤字だと思います。
今回の実例から伝えたいこと
今回の記事で実例からお伝えしたかったことは「単身赴任は額面ほど得しない」ということです。
単身赴任になると、額面の年収は大きく上がります。
でも実態は、
- 実費精算・補填としての手当が多い
- 課税される収入として扱われる
- 二拠点生活のコストが発生する
これらが重なって、手取りベースでは損になりやすい構造です。

さらに、年収が上がることで所得制限に引っかかりやすくなるのも痛いところです。
自宅側の生活費も増えやすい
今回の記事では論点が違うので詳しくは書きませんが、単身赴任になってから自宅側の生活費も増えがちになりました。
- ワンオペによる負担増
- 惣菜・外食の増加
- 時間をお金で解決する場面の増加

我が家でも、実際に支出は増えています。
この記事を書いた理由
正直なところ、単身赴任はできるだけ避けたい選択だと思っています。
それでも、仕事や家庭の事情で、選ばざるを得ない人も多いはずです。
単身赴任になると、手当がついて額面の年収は上がります。
でも実際にやってみると、税金や社会保険料、二拠点生活のコストなども含めて考える必要があり、必ずしも家計が楽になるとは限らないと感じました。
実際に体験しないとわからないこともあるからこそ、額面年収だけで判断しないように、一度立ち止まって考える材料になればと思ってこの記事を書きました。
正解は家庭ごとに違います。
ただ、「思っていたより大変だった」というケースがあることは、事前に知っておいてもいいはずです。
単身赴任の使い方を考える
繰り返しになりますが、単身赴任はあまりおすすめできる選択肢ではないと思っています。
- 家族と離れて暮らすつらさ
- 継続的な支出増
- 年収だけ上がってもラクには感じない
割に合わないと感じることはいくつもあります。
ただ、なってしまった以上は前向きに使うしかないとも思っています。
いじけていても何も変わりません。損するだけで終わりです。
単身赴任をせざるを得ないのであれば、その状況を使い倒して、少しでも元を取るべきだと思います。
単身赴任では「自分の時間」だけはあり余るほどあります。
私はその時間を使ってキャリアアップとスキルアップを中心に取り組んでいます。

会社が出してくれる研修・教育費も使えるだけ使っています
そのあたりの内容でもお伝えしたいことはあるので、また別の記事でまとめようと思います。

